第10位タイマーク・マンダース『乾いた土の頭部』
乾いた粘土にしか見えない巨大な頭部。しかし実体は彩色ブロンズ。見た目と物質を反転させるマンダースの大作。

なぜ国が買った?
国立美術館の年報では、マンダース作品はゴーバーと並んで作家の代表的な作例として位置づけられています。国立国際美術館が戦後から現代までの国際美術を見せるうえで、21世紀の彫刻が「物質そのもの」だけでなく、記憶・時間・虚構の空間をどう扱うかを示せる作品です。巨大で展示効果も高く、コレクションの現代側を強くする役割があります。
なぜこの価格?
契約価格は1億1,000万円。査定内訳は非公表ですが、233×283×155cmというモニュメンタルな規模、ブロンズによる複雑な制作、エディション3/3という希少性、国際的に評価された作家の代表的作品であることが価格形成を考える材料です。ただし「ブロンズが何トンだから1億」という話ではなく、作品の美術史的位置と供給の少なさが中心です。
※公的資料が鑑定・評価の内訳を公表していない場合、本節は希少性、代表性、来歴、規模、エディション等の公表情報から価格を考える材料を整理したものです。
作品について
《乾いた土の頭部》は高さ2.33m、幅2.83mに及ぶ巨大な頭部彫刻です。一見すると今にも崩れそうな乾いた粘土ですが、実際の素材は彩色したブロンズ。つまり「脆そうに見えるもの」を非常に丈夫な金属で永久保存している作品です。エディションは3/3で、世界に同じ仕様の作品がごく少数しかありません。
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まず「土に見えるのにブロンズ」という騙しを知った上で表面を見てください。ひび、指で押したような跡、未完成に見える形が、実は金属で固定されています。次に巨大な顔を正面だけでなく横から見ると、肖像というより建築物や遺跡に近く見えてくる。そのスケール感の反転が面白さです。
作者について
マーク・マンダース(1968–)はオランダの現代美術家です。彫刻、家具、建築模型、新聞などを組み合わせ、「作者が突然いなくなった制作室」や「発掘された未知の文明」のような空間を作ります。完成品なのに永遠に制作途中に見える、という逆説が作品の大きな特徴です。
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- 取得年度
- 2021年度
- 購入価格・取得額
- 1億1,000万円(¥110,000,000)
- 作者
- マーク・マンダース
- 作品名
- 乾いた土の頭部
- 所蔵先
- 国立国際美術館
- 取得主体
- 独立行政法人国立美術館
- 制作年
- 2015–16年
- 技法・材質
- ブロンズ、彩色
- 寸法
- 233.0×283.0×155.0 cm
- 出典
- JETRO 政府公共調達データベース(独立行政法人国立美術館)
購入一次資料 ↗ - 作品画像の出典
- 画像掲載元 ↗
- 画像利用条件
- 作品著作権存続。国立国際美術館/作家・ギャラリー等の画像利用条件を確認。
収録済み資料に基づく年度別暫定ランキング。対象機関は年度間で同一ではありません。全国の全自治体を悉皆調査したランキングではありません。 国立美術館4館・国立文化財機構4館・文化庁の令和3年度購入公表を横断し、公表額または政府公共調達で契約額を確認できた作品を順位化。国立国際美術館のメル・ボックナー《セオリー・オブ・スカルプチャー(カウンティング)&プリマー》など、取得額が公表資料で「―」かつ契約額を確認できない作品は順位対象外。10位は同額2作品のため全11作品を掲載。