第8位カミーユ・クローデル『ペルセウスとゴルゴーン』
英雄ペルセウスと怪物ゴルゴーンを扱う、クローデル晩年の重要主題。作者生前に鋳造された稀少なブロンズ。

なぜ国が買った?
国立西洋美術館は世界的なロダン・コレクションを持つため、ロダンと同時代に活動したクローデル作品を以前から取得しようとしていました。さらに女性芸術家の系譜を厚くするという収集方針にも合致します。つまり一人の有名女性作家を追加したのではなく、既存のロダン中心の近代彫刻史を別の視点から組み替えるためのピースです。
なぜこの価格?
1億5,351万600円の査定内訳は公表されていません。作者生前に鋳造された稀少なブロンズであること、番号なしであること、カタログ・レゾネに掲載される確かな作品であること、クローデルの国際的再評価、そしてこの主題が晩年の重要作であることが価格形成を考える主な要素です。
※公的資料が鑑定・評価の内訳を公表していない場合、本節は希少性、代表性、来歴、規模、エディション等の公表情報から価格を考える材料を整理したものです。
作品について
ギリシャ神話で、英雄ペルセウスが人を石に変える怪物ゴルゴーンを倒し、その首を掲げる場面を扱います。クローデルはこの主題を石膏、大理石、ブロンズで展開しました。本作は彼女の生前、1905–06年に鋳造家ウジェーヌ・ブロによって作られた番号なしのブロンズで、国立西洋美術館は「稀少なブロンズ像の一つ」としています。ゴルゴーンの顔には作者自身が投影されているとも解釈されています。
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ペルセウスの英雄的ポーズだけを見ると物語彫刻ですが、ゴルゴーンの首との関係を見ると心理劇に変わります。身体がねじれながら上へ伸びる動き、盾と首の配置、台座から人物へ続く曲線を追ってください。小ぶりなブロンズなのに、視線がぐるりと像の周囲を回るように設計されています。
作者について
カミーユ・クローデル(1864–1943)は、近代フランスを代表する彫刻家です。ロダンの工房で助手として働き、公私に深い関係を持ちながら、やがて独自の彫刻表現を追求しました。長く「ロダンとの関係」で語られがちでしたが、現在は近代彫刻の重要な作家として作品そのものの再評価が進んでいます。
基本データを見る
- 取得年度
- 2021年度
- 購入価格・取得額
- 1億5,351万600円(¥153,510,600)
- 作者
- カミーユ・クローデル
- 作品名
- ペルセウスとゴルゴーン
- 所蔵先
- 国立西洋美術館
- 取得主体
- 独立行政法人国立美術館
- 制作年
- 1898–1905年/1905–1906年鋳造
- 技法・材質
- ブロンズ
- 寸法
- 51.0×30.0×22.0 cm
- 出典
- 独立行政法人国立美術館「令和3年度 美術作品購入一覧」/国立西洋美術館
購入一次資料 ↗ - 作品画像の出典
- 画像掲載元 ↗
- 画像利用条件
- 作品自体は著作権切れ。国立西洋美術館掲載写真の著作権・利用条件を確認。
収録済み資料に基づく年度別暫定ランキング。対象機関は年度間で同一ではありません。全国の全自治体を悉皆調査したランキングではありません。 国立美術館4館・国立文化財機構4館・文化庁の令和3年度購入公表を横断し、公表額または政府公共調達で契約額を確認できた作品を順位化。国立国際美術館のメル・ボックナー《セオリー・オブ・スカルプチャー(カウンティング)&プリマー》など、取得額が公表資料で「―」かつ契約額を確認できない作品は順位対象外。10位は同額2作品のため全11作品を掲載。