第1位作者不詳『金剛力士立像』
高さ約2.8メートル。平安時代末の仁王像が阿形・吽形の一対で残った、東京国立博物館の大型彫刻。

なぜ国が買った?
国立文化財機構の評価資料では、等身を大きく超える規模を生かして東京国立博物館を代表する仏像として展示・教育普及に活用できる点が明確に挙げられています。単に「古い仏像を一体増やした」のではなく、平安末期の大型木彫を一対のまま保存し、巨大な展示空間を持つ国立博物館で公開できる資料として取得した、と考えると分かりやすい作品です。
なぜこの価格?
5億円は二躯一括の購入額です。公表資料に価格査定の内訳はありませんが、約850年前の大型木彫が阿形・吽形の一対で残る希少性、約3メートルという規模、制作年代を年輪年代測定で追える資料性、伝来と修理記録が確認できることが価格を考える大きな材料になります。「木の像だから5億」ではなく、失われれば同じ条件のものを買い直せない文化財に対する価格です。
※公的資料が鑑定・評価の内訳を公表していない場合、本節は希少性、代表性、来歴、規模、エディション等の公表情報から価格を考える材料を整理したものです。
作品について
高さは阿形279.0cm、吽形275.5cm。ほぼ3メートルという巨大な木像二体が一組です。阿形は引き締まった姿、吽形は頭部が大きく量感のある姿で、二体には作風の差がありますが、腕に天衣を絡ませる表現などが共通し、もともと一対として造られたと考えられています。昭和9年の室戸台風で仁王門が倒壊した際に大きく損傷し、その後修理を経て今日まで残ったという履歴も、この像の重要な一部です。
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まず二体を並べて見てください。阿形は口を開き、吽形は口を閉じるだけでなく、体格や顔つきまでかなり違います。それでも腕に絡む天衣や全身の動きには共通点がある。この「違うのに一対」という関係が面白いところです。さらに近くでは、深く彫られた肉付けや衣の線、修理を経た表面を追うと、巨大さだけではない平安末期彫刻の迫力が見えてきます。
作者・制作背景について
作者名は伝わっていません。平安時代末、12世紀に造られた阿形・吽形一対の金剛力士像です。寺院の仁王門で外敵や邪悪なものを防ぐ守護神として人々を迎えていた、いわば「門そのものの顔」でした。年輪年代測定から吽形像に用いられたヒノキは1173年頃に伐採されたことが分かっており、制作年代を考えるうえでも重要な手掛かりがあります。
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- 取得年度
- 2021年度
- 購入価格・取得額
- 5億円(¥500,000,000)
- 作者
- 作者不詳
- 作品名
- 金剛力士立像
- 所蔵先
- 東京国立博物館
- 取得主体
- 独立行政法人国立文化財機構
- 制作年
- 平安時代・12世紀
- 技法・材質
- 木造、彩色
- 寸法
- 2軀/阿形 像高279.0 cm、吽形 像高275.5 cm
- 出典
- 独立行政法人国立文化財機構「令和3年度 購入文化財情報」/東京国立博物館
購入一次資料 ↗ - 作品画像の出典
- 画像掲載元 ↗
- 画像利用条件
- 作品自体は著作権切れ。東京国立博物館掲載画像の利用条件を確認。
収録済み資料に基づく年度別暫定ランキング。対象機関は年度間で同一ではありません。全国の全自治体を悉皆調査したランキングではありません。 国立美術館4館・国立文化財機構4館・文化庁の令和3年度購入公表を横断し、公表額または政府公共調達で契約額を確認できた作品を順位化。国立国際美術館のメル・ボックナー《セオリー・オブ・スカルプチャー(カウンティング)&プリマー》など、取得額が公表資料で「―」かつ契約額を確認できない作品は順位対象外。10位は同額2作品のため全11作品を掲載。