第5位タイ作者不詳『重要文化財 法然上人絵伝』
法然の生涯を描く古い絵巻の一つ。九巻構成の「琳阿本」系統の第七巻で、東京国立博物館所蔵の同系統第八巻と本来一連だった作品。

なぜ国が買った?
国立文化財機構の年報は理由をかなり明確に書いています。琳阿本は法然伝の各系統の成立や影響関係を考えるうえで重要で、しかも東京国立博物館には同じセットの第八巻がある。第七巻を取得することで、散り散りになった絵巻の連続性を部分的に回復し、並べて展示・研究できます。さらに本作は長らく同館に寄託され展示活用されており、購入によって恒久的な公開が可能になりました。
なぜこの価格?
購入額は2億円。重要文化財で、14世紀の長大な絵巻が13m以上まとまって残り、しかも同館所蔵品と本来一続きだったという条件があります。価格査定の内訳は公開されていませんが、古さ・指定・長さだけでなく「既存コレクションと再接続できる」という博物館固有の価値が加わります。別の絵巻を買えば代替できる作品ではありません。
※公的資料が鑑定・評価の内訳を公表していない場合、本節は希少性、代表性、来歴、規模、エディション等の公表情報から価格を考える材料を整理したものです。
作品について
縦32.7cm、全長13.64mという長大な絵巻です。法然の伝記を文章と絵で順々に語ります。琳阿本系統は現存する《法然上人絵伝》の中でも古く、京都・知恩院の国宝四十八巻本とほぼ同時代。本作は九巻中の第七巻にあたり、東京国立博物館は本来一連だった第八巻(A-10571)をすでに所蔵しています。
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一枚の絵としてではなく、巻物を少しずつ開く時間を想像して見てください。人物、建物、道、景色が連続し、詞書を挟んで物語が進みます。特に面白いのは、単独で完結した名画ではなく「第七巻」という断片であること。東京国立博物館の第八巻へ物語が続くと知ると、散逸したシリーズを博物館が繋ぎ直す意味が見えてきます。
作者・制作背景について
作者は特定されていません。鎌倉時代から南北朝期にかけて、法然の生涯を絵と詞書で伝える複数の《法然上人絵伝》が作られました。本作は「琳阿本」と呼ばれる九巻系統の第七巻で、個人作家よりも浄土宗の祖師伝がどのように編集・図像化されたかが重要です。
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- 取得年度
- 2020年度
- 購入価格・取得額
- 2億円(¥200,000,000)
- 作者
- 作者不詳
- 作品名
- 重要文化財 法然上人絵伝
- 所蔵先
- 東京国立博物館
- 取得主体
- 独立行政法人国立文化財機構
- 制作年
- 鎌倉時代・14世紀
- 技法・材質
- 紙本著色・1巻
- 寸法
- 縦32.7×全長1,364.0 cm
- 出典
- 独立行政法人国立文化財機構「令和2年度 購入文化財情報」/東京国立博物館
購入一次資料 ↗ - 作品画像の出典
- 画像掲載元 ↗
- 画像利用条件
- 作品自体は著作権保護期間満了。e国宝/東京国立博物館の画像利用条件を確認し、指定クレジットがある場合は画像直下に表記。
収録済み資料に基づく年度別暫定ランキング。対象機関は年度間で同一ではありません。全国の全自治体を悉皆調査したランキングではありません。 独立行政法人国立美術館、独立行政法人国立文化財機構4館、文化庁の令和2年度購入公表を横断して順位化。京都国立近代美術館が一括取得した岸田劉生29作品は、公式購入一覧に個別取得額が公表されているため作品単位で集計。取得額が「―」で公開資料から金額を確認できない作品は順位対象外。5位タイ2作品、9位タイ3作品のため、10位までの順位に該当する全11作品を掲載。