第3位長谷川一清ほか『《孔雀置物》ほか40点(明治工芸41点一括)』
政府調達は長谷川一清《孔雀置物》1点ほか40点、計41点を5億3,784万円で一括取得した契約。表示額は《孔雀置物》1点の価格ではなく41点全体の一括契約額。
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なぜ国が買った?
京都国立近代美術館は平成28年度から明治期の「超絶技巧」工芸を継続収集しており、公式報告は、優品の散逸・海外流出を防ぐこと自体を国立美術館の役割として明記しています。明治工芸は長く海外コレクションに流出してきたため、単品を点々と買うより、質の高いまとまりを一括して国内の公共コレクションへ移すことに大きな意味があります。
なぜこの価格?
5億3,784万円は41点全体の一括契約額で、個別作品の配分額は公表されていません。したがって「孔雀が5億円」と読むのは誤りです。数十点の美術館級工芸を同時に確保する規模、金工・七宝・漆工など複数分野を横断するコレクション性、海外市場でも評価の高い明治輸出工芸の希少性をまとめて評価した契約と見るべきです。
※公的資料が鑑定・評価の内訳を公表していない場合、本節は希少性、代表性、来歴、規模、エディション等の公表情報から価格を考える材料を整理したものです。
作品について
政府調達の契約件名は「長谷川一清作《孔雀置物》1点 外40点」。つまり5億3,784万円は孔雀1点の値段ではなく、主に明治期の金工・七宝・染織・漆工など計41点をまとめた一括契約額です。国立美術館の年度報告では、同年度に《柳燕図花瓶》や自在置物など「超絶技巧」の工芸42件を購入したとされ、明治輸出工芸のまとまりを一挙に強化したことが確認できます。
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代表作《孔雀置物》では、まず羽根の一枚一枚を見てください。絵具で描いた模様ではなく、金属と彫金で羽毛の密度や光沢を作っています。そのうえで他の取得作も見ると、明治工芸の面白さは「写実的にそっくり」だけでなく、金属・七宝・漆・糸という全く違う素材で、どこまで視覚的な驚きを作れるかを競っている点だと分かります。
作者について
これは一人の作家の作品ではなく、長谷川一清をはじめとする明治工芸の作家たちによる41点の一括取得です。代表例の《孔雀置物》は木を芯に銀・金や彫金を組み合わせた金工作品。明治工芸は万国博覧会や輸出を通じて国際市場で高く評価され、日本国内より海外に優品が多く残る分野でもあります。
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- 取得年度
- 2018年度
- 購入価格・取得額
- 5億3,784万円(¥537,840,000)
- 作者
- 長谷川一清ほか
- 作品名
- 《孔雀置物》ほか40点(明治工芸41点一括)
- 所蔵先
- 京都国立近代美術館
- 取得主体
- 独立行政法人国立美術館
- 制作年
- 主に明治時代
- 技法・材質
- 金工・七宝・染織・漆工ほか(《孔雀置物》:木、銀、金、彫金)
- 寸法
- 41点一括(《孔雀置物》:24.0 × 40.0 × 30.0 cm)
- 出典
- 政府調達「落札・契約情報」/京都国立近代美術館
購入一次資料 ↗ - 作品画像の出典
- 画像掲載元 ↗
- 画像利用条件
- 国立美術館所蔵作品検索・京都国立近代美術館の画像利用条件を確認。掲載元にクレジット表記がある場合は原文どおり画像直下に記載。
収録済み資料に基づく年度別暫定ランキング。対象機関は年度間で同一ではありません。全国の全自治体を悉皆調査したランキングではありません。 文化庁、独立行政法人国立美術館、独立行政法人国立文化財機構4館の平成30年度取得資料に加え、政府調達の落札・契約情報を横断確認して順位化。アルベルト・ジャコメッティ《ヤナイハラⅠ》は政府調達で14,472,000米ドルの契約額が公表されているため、日本銀行「平成30年9月中において適用」の基準外国為替相場1米ドル=111円で1,606,392,000円に参考換算して順位化。《孔雀置物》ほか40点は41点一括5億3,784万円で、現行公開資料から個別配分額を確認できないため一括案件として明記。九州国立博物館の政府調達《鉢形土器》ほか79件(1億9,134万800円)は、同館の平成30年度購入文化財一覧に各資料の個別購入額が公表されているため、契約総額を1作品としてランキングする旧処理を撤回。これに伴い第10位へ横山大観《白衣観音》1億1,124万円を反映。未確認額は推測しない。