第2位ルカス・クラーナハ(父)『ホロフェルネスの首を持つユディト』
国立西洋美術館が7億3,851万7,500円で購入。クラーナハの中核的主題「ユディト」を扱う、保存状態にも恵まれた成熟期の小型板絵。
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なぜ国が買った?
国立西洋美術館の平成30年度業務実績報告書は、本作をクラーナハの「典型的な主題」を扱う質の高い小品で、保存状態も優れ、クラーナハの最も人気を集めた制作の一面を紹介できる作品として購入したと明記しています。つまり、作家名だけを埋めるのではなく、クラーナハらしさが一目で伝わる代表的タイプの作品を国立コレクションに置く取得です。
なぜこの価格?
取得額は7億3,851万7,500円。評価内訳は公表されていません。価格を考える材料は、16世紀ドイツ・ルネサンスの主要作家の真正な板絵であること、クラーナハの中核主題、成熟期の精緻な描写、良好な保存状態、旧ヨーロッパ王侯家へさかのぼる来歴です。小さいから安い、という商品ではなく、500年近く前の「同等品が市場に何枚出るか」が支配的です。
※公的資料が鑑定・評価の内訳を公表していない場合、本節は希少性、代表性、来歴、規模、エディション等の公表情報から価格を考える材料を整理したものです。
作品について
旧約聖書のヒロイン、ユディトが敵将ホロフェルネスを酔わせて斬首し、その首を手にした場面です。37.2×25cmという小品ですが、ユディトの豪華な衣装と宝飾、冷静な視線、血の気を失った首が同じ狭い画面に置かれています。右下にはクラーナハの有翼の蛇の紋章による署名があります。
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最初にユディトの顔だけ見て、その後に彼女が持つ首へ視線を移してください。惨劇の直後なのに表情は驚くほど静かです。次に帽子、首飾り、袖の刺繍を近くで見ると、残酷な主題と宝石のような精密さが衝突している。この美と暴力の同居が、クラーナハのユディト像の強さです。
作者について
ルカス・クラーナハ(父)(1472–1553)はドイツ・ルネサンスを代表する画家で、ザクセン選帝侯の宮廷画家として長く活動しました。宗教改革者ルターとも近く、宗教画、肖像画、神話・旧約聖書の女性像を工房で数多く制作しました。ユディトは彼が繰り返した代表的主題の一つです。
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- 取得年度
- 2018年度
- 購入価格・取得額
- 7億3,851万7,500円(¥738,517,500)
- 作者
- ルカス・クラーナハ(父)
- 作品名
- ホロフェルネスの首を持つユディト
- 所蔵先
- 国立西洋美術館
- 取得主体
- 独立行政法人国立美術館
- 制作年
- 1530年頃
- 技法・材質
- 油彩、板
- 寸法
- 37.2 × 25 cm
- 出典
- 政府調達「落札・契約情報」/国立西洋美術館
購入一次資料 ↗ - 作品画像の出典
- 画像掲載元 ↗
- 画像利用条件
- 国立西洋美術館の画像利用条件を確認。作品はパブリックドメイン。公式掲載にクレジット表記がある場合は原文どおり画像直下に記載。
収録済み資料に基づく年度別暫定ランキング。対象機関は年度間で同一ではありません。全国の全自治体を悉皆調査したランキングではありません。 文化庁、独立行政法人国立美術館、独立行政法人国立文化財機構4館の平成30年度取得資料に加え、政府調達の落札・契約情報を横断確認して順位化。アルベルト・ジャコメッティ《ヤナイハラⅠ》は政府調達で14,472,000米ドルの契約額が公表されているため、日本銀行「平成30年9月中において適用」の基準外国為替相場1米ドル=111円で1,606,392,000円に参考換算して順位化。《孔雀置物》ほか40点は41点一括5億3,784万円で、現行公開資料から個別配分額を確認できないため一括案件として明記。九州国立博物館の政府調達《鉢形土器》ほか79件(1億9,134万800円)は、同館の平成30年度購入文化財一覧に各資料の個別購入額が公表されているため、契約総額を1作品としてランキングする旧処理を撤回。これに伴い第10位へ横山大観《白衣観音》1億1,124万円を反映。未確認額は推測しない。